原題「清徳聖奇特の事」。

突っ込みが追い付かない感じの話です。

最初に食べている草は「水葵」で、水田雑草の一種。
本文には「三町ばかりぞ植ゑたりける」とあるので、
一応食用に植えてあるようです。
とはいえ、普段から食べるような物でもないようです。
通常は塩茹でにするらしいですが、
聖は折り取って生で食べています。

三町=300m四方の草を食いつくした後、
ふるまわれた千合の白米を食いつくし、
さらに一万合の白米を食ったようです。
実際は後ろに付いてきた霊たちが食べたのですが、
常人には見えません。

その後、四条の北の通りを排泄物まみれにし、
人々が「糞小路」と言って汚がったのを、
帝自ら「錦小路」と改めます。

高徳のあまり路に名を残した、というわけじゃなく、
通りを汚しまくって帝が名前だけ変えた、
というろくでもない由来話で終わります。

奇妙で珍しいのは間違いないんだけど、
肝心なところが猥雑で、
話をどう受け取ったものか迷うという
宇治拾遺らしいエピソードです。