漫訳・宇治拾遺物語「鹿法師のこと」


原題「龍門聖鹿にかはらんとす」。

今回は徳の高いお坊さんです。
しかし、やっていることは異様かつ過激。
矢を射ようか射るまいか迷った末、
ギリギリで思いとどまるのがスリリングです。

仏教には不殺生戒というものがあり、
殺生を禁じています。
これを破ると、死後、
より悪い世界に生まれ変わってしまいます。

では、職業上殺生をしないといけない
漁師や猟師はどうなるのかというと……
基本、地獄に落ちると考えられていました。

理不尽。

実際、能の「善知鳥」などの曲は、
地獄に落ちた猟師の運命を描いています。

それで生活している側からしたら
「知るかよ」というところなので、
その辺の解釈は、身分や立場によって
結構違ったんではないかと思います。


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