宇治拾遺物語「毒龍の巌のこと」
原題「同僧正大嶽の岩いのり失事」。 前回登場した静観僧正の二本目です。 「僧ども、命もろくして多く死にけり」という死に方描写のモブ感。 よく分からないまま僧が大量に死んで、 よく分からない岩のせいだという噂になって、 そ
続きを読む原題「同僧正大嶽の岩いのり失事」。 前回登場した静観僧正の二本目です。 「僧ども、命もろくして多く死にけり」という死に方描写のモブ感。 よく分からないまま僧が大量に死んで、 よく分からない岩のせいだという噂になって、 そ
続きを読む原題「静観僧正祈る雨を法験の事」。 静観僧正がサクセスする話です。 60人でやっても駄目ということで、 「場所を変えて一人で祈らせてみよう」と帝が思いついて、 特に位も高くない静観にやらせたところ、なぜか成功します。 ど
続きを読む原題「清徳聖奇特の事」。 突っ込みが追い付かない感じの話です。 最初に食べている草は「水葵」で、水田雑草の一種。 本文には「三町ばかりぞ植ゑたりける」とあるので、 一応食用に植えてあるようです。 とはいえ、普段から食べる
続きを読む原題「利仁芋粥事」。 「とにかく金持ちは凄い」という話なんですが、 金持ちがキツネに食わせるようなものを 一生かけても満足に食えない……というのは、 芥川龍之介じゃなくてもモヤッと感じることでしょう。 一応、粥を振る舞わ
続きを読む原題「利仁芋粥事」。 芥川龍之介の短編「芋粥」の元ネタです。 芥川「芋粥」では、 芋粥を食べたがる男の冴えなさ・情けなさを強調してますが、 原文では割とあっさりです。 利仁の態度も紳士的で、尊大さがありません。 キツネに
続きを読む原題「修行者百鬼夜行にあふ事」。 「異空間では、距離の仕組みが現実と異なる」というSF的なお話。 不動明王像と間違えられて、 軒下に動かされるシーンを想像するとちょっとかわいい。 間違えられたのは、 「不動明王の真言を唱
続きを読む原題「尼地蔵み奉る事」。 「信心があれば、経緯を超越して仏が現れる」 というのは良いとして、登場の仕方がすごい。 原文では 「少年が額を掻いたら、頭のてっぺんまで裂けて、 中からえもいわれず神々しい地蔵の顔が出現し
続きを読む原題「大童子鮭ぬすみたる事」。 怪人が下品なギャグを飛ばす恒例のパターン。 全く言い訳になってないのが潔い。 現代では、女性器ギャグは男性器ギャグよりタブー度高いですが、 宇治拾遺物語に躊躇はありません。 「大童子」とい
続きを読む原題「田舎児桜の散るをみて泣く事」。 風流に見えて実は作物の心配をしていた稚児と、 ドヤ顔でそれっぽいことを喋ってしまった僧。 どっちが笑いどころか微妙なところですが、 そのまま微妙な感じに描いてみました。
続きを読む原題「児のかいもちするに空寝したる事」。 教科書の定番という事で、見覚えのある方も多いかと思います。 宇治拾遺物語をここまで見てきた中では、 すごくおとなしい部類だということが分かりますね。 稚児はエロ可愛い存在なので、
続きを読む原題「小藤太聟におどさる」。 く、くだらない。 コンビニで売ってる「本当にあったエロ笑える話」みたいなノリ。 なお原文では勃起しています。効果音は「けしけし」。 平安時代の貴族は通い婚なので、夫婦は同居せず、 男が女のと
続きを読む原題「源大納言雅俊一生不犯に金打せたる事」。 馬鹿正直にも、公衆の面前でカミングアウトする僧。 事前に確認することは出来なかったのだろうか……。
続きを読む原題「秦兼久通俊卿の許に向かひて悪口する事」。 藤原通俊が「後拾遺和歌集」を編纂した時の話、とされています。 自作を披露しに来た男は秦兼久なる人物。 歌をけなされて怒り、わざと伝わるように悪口を言う兼久。 壮絶な批評戦が
続きを読む原題「宇治殿たをれさせ給て実相房僧正験者に召事」。 本人が来るまでもなく、 守護霊が病気を治してしまうという恐るべき能力。 原文は守護霊ではなく「護法」とだけあります。 「護法」は「仏教を守るパワーが人に宿ったもの」なの
続きを読む原題「易の占金を取出す事」。 10年越しの予言というだけでなく、 無関係の易者に中継させるという迂遠な芸当。 全く信用されてない娘がちょっと笑えます。 いや、笑ってられないですね。 これはそういうもんですよね……。 お金
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